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テーマ「ヤンデレ」で書きました
ガチで鬱かつグロもあるので、そういうのが苦手な人はご遠慮下さい






























あなたに刻む、わたしの想い

 ねえ、
 あなたは覚えてる?

 二人で見た、どこまでも広がる海のまぶしさ
 二人で感じた、どこまでも澄み切った空の広さ
 二人でかいだ、かぐわしくやさしい、花たちの香り
 
 私は覚えてる
 あなたと過ごした時間
 なにもかも、みんなみんな覚えてる
 決して失われることのない、かけがえがない大切な宝物
 
 ねえ、
 それなのに


 あなたはどうしてなくしてしまったの

 
 なくしてない?
 うそ、うそ、うそ
 
 いいの
 気にしないで、私が覚えてる
 いつでもあなたに思い出させてあげる
 今度は二度と忘れないようにしてあげる

 今日のために研いただの
 このときのために研ぎ澄ましたの
 細くて長い、鋭くて綺麗な銀のナイフ
 
 これを使うの
 これで刻むの
 大切な思い出を
 かけがえのない想いを
 こんどこそ忘れないよう
 こんどこそ失われないよう

 消えないくらい深く
 忘れられないくらい強く
 鮮やかに、華やかに、赤く
 あなたにすべて、刻み込むの

 
 やめて?
 いいえ、やめない
 必要なことだもの
 
 ひどい?
 そうね、ひどいこと
 あなたはわたしを裏切った

 ひとでなし?
 そうね、ひとでなし
 あなたもわたしもひとでなし

 
 あなたはあの女となにをしていたの?
 わたしのしらないところで、わたしのしらないことをしていたの?

 
 いいの
 わたしは気にしない
 だって今、あなたはわたしのもの
 あなたをクスリで眠らせたのも、そのため
 あなたを眠っている間に縛ったのも、そのため
 身動き一つとれず、口しかきけないあなたは、わたしだけの、モノ
 

 さあ始めましょう
 さあ、刻みましょう


 二人で公園をお散歩したわね
 足に刻み込みましょう
 そのとき手を繋いでくれたわね
 手に刻み込みましょう
 抱きしめてくれて、うれしかった
 胸に刻み込みましょう
 あなたはわたしの頬にキスしてくれたわね
 顔に刻み込みましょう
 

 いたい?
 そうね、わたし心が痛むわ

 ひどい?
 そうね、あなたはひどいことをしたわ
 
 やめて?
 そうね、あんなこともうやめてほしい
 
 でもいいわ
 もう、いいの
 だって、思い出したでしょう?
 だって、もう忘れられないでしょう?
 だって、あんな女のことは忘れたでしょう?

 だってこんなに赤いもの
 だってこんなに深いもの
 だってこんなに綺麗なんだもの
 
 わたしね
 あなたのことが大好きなの
 あなたとの大切な思い出がたくさんあるの
 
 だから、もっともっと刻み込みましょう
 たくさんあるの
 いっぱいあるの
 いくらでもあるの
 あなたとの思い出は、みんな刻み込みましょう
 
 刻み込んでも刻み込んでも、まだ足りない
 刻み込んでも刻み込んでも、追いつかない
 刻み込んでも刻み込んでも、満たされない
 
 
 だから、思いつくまま気の向くまま
 刻み込むの
 
 
 こんなに刻み込んでしまったから、あなたはもう一言も口をきけないでしょう
 でも大丈夫、わたしが愛の言葉を囁いてあげる
 こんなに刻み込んでしまったから、あなたはもうなにもつかめないでしょう
 でも大丈夫、わたしがあなたを抱きしめてあげる
 こんなに刻み込んでしまったから、あなたはもう耳も聞こえないでしょう
 でも大丈夫、わたしがあなたを最後まで聞いてあげる
 
 
 やがて
 あなたは声も出さなくなり
 あなたは震えもしなくなり
 あなたは息もしなくなり
 あなたは鼓動も止めて
 あなたは静かになる


 そして、あなたは、冷たくなった


 でも、大丈夫
 あなたが裏切ったときほど冷たいことなんてないから

 ねえ
 あなたは冷たくなったけど
 わたしの心はこんなにも暖かいんだよ
 
 
 見せてあげる
 
 
 朱に染まった銀のナイフ
 わたしはわたしの喉を割く
 喉を割いて、お腹まで割いて
 
 赤い色が
 赤い塊が
 赤い気持ちが
 みんなみんな、あふれ出す
 
 ほら
 ほら、ほら
 湯気も立ってるの
 こんなに、熱いの
 
 私の赤と、あなたの赤
 混ざり合って溶け合って
 わたしのあなたは、わたしとひとつ
 誰にも、二人を、分かてなくなるの
 
 
 ねえ
 ねえ、ねえ、ねえ


 愛してる
 愛してる
 愛してるよ
 あなたのことが、大好きだよ

Fin

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