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おねえちゃん忘れてるっ!

その2

おねえちゃんが
寒い日に大事なものを
忘れてるっ!




「ようやく学校終わったね〜」
「うん、おねえちゃん。早く帰っておこたに入ろう。こんなに寒いと風邪ひいちゃうよ」
「そんなに寒い?」
「え……う、うん」
「じゃあ、てぶくろ余分に持ってるから貸したげるっ!」
「えっ? なんでおねえちゃんそんなに持ってるの?」
「ふっふっふっ、おねえちゃんはすごい人なんだよ〜」
「確かにパンツはき忘れたまま学校行く人はすごいよね」
「いじわるぅ……えと、あった! じゃーん! はい、毛糸の手袋っ!」
「あ、ありがとう。わあ、これなら暖かそう……って、
 なんかこの手袋、大きな穴がひとつあるのはいいとして、
 それより小さい穴が二つもあるんだけど……」
「あれ、手袋破れちゃったのかな?」
「そうじゃなくて……毛糸のパンツにみえるんだけど……」
「あ、ホントウだ」
「………」
「………」
「おねえちゃん……?」
「! ご、ごめんっ! それじゃあ手が寒いよねっ!
 すぐてぶくろ探すから……」
「そうじゃなくってっ!」
「はいっ、これ!」
「これって……クマさんぱんつ!?」
「わあまちがえたっ! じゃあこれっ!」
「わあ、いい手触り……って、シルクのパンツだ」
「わあああ、こっちこっち!」
「きゃっ、透け透けパンツ? ……こんなの初めて見た」
「ああ〜ん、てぶくろがみつからないよ〜」
「いいかげんにしてっ! 恥ずかしいでしょっ!」
「うう〜」
「なんでポケットの中から次から次へとパンツが出てくるのよっ!?」
「だって……昨日の朝、パンツはき忘れてたでしょ?
 だから忘れても大丈夫なようにって」
「だからってこんなに……」
「だって、わたしのことを心配して走ってきてくれたでしょ?
 うれしかったんだよ。だから、万全の準備をしたかったんだ……」
「おねえちゃん……」
「ごめんね……」
「もっ……もういいわよっ!
 今の騒ぎですっかりあったまっちゃったから、
 てぶくろなんていらないよっ」
「え……」
「それにほらっ! こうして手をつなげば全然寒くないっ」
「う、うん!」
「さあ、早く帰ろうって……きゃあっ!」
「うあ、すごい風」
「………」
「あれ、どうしたの」
「ねえ、おねえちゃん……」
「なあに?」
「どうしてはえてないの……?」
「……え?」
「な、何言ってるんだろわたし?
 え、ええと。あのね、今お姉ちゃんのスカートがめくれて……
 肌色しか見えなかったの……」
「え?」
「おねえちゃん、肌色のパンツなんて持ってるの?」
「え〜と、今日は……あ」
「?」
「パンツ、はき忘れてた……」
「………」
「………」
「……殴って、いい?」
「だめごめん許してーっ!」
「許さないーっ! いいかげんにしろーっ!!」




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