| サイト トップへ |
新ジャンル「変態古風」より
古風な彼女は縛られたい
・出逢い
「ぶらぶら散歩してたら、ずいぶん懐かしいところに来たな。
この公園、まだあったんだな。ガキの頃よく遊んだっけ……」
「………」
「ありゃ。こんな所に着物の着た女の人がいる。珍しいな」
「!」
「ん? 俺の方に向かってくる?」
「あの、もし!」
「は、はい!?」
「………」
「な、なんですか? なにか用でも……?」
「………」
「に、睨まれている……?」
「ああ、やっぱり……面影がある……」
「は?」
「でも確認しなくてはなりません……」
「あの、さっきから何を……?」
「すみません、お願いがあるんですがっ!」
「は、はい!?」
「ここに荒縄があります」
「は、はぁ……?」
「これで私を……」
「あなたを?」
「縛って下さいませんか?」
「………」
「………」
「……は?」
・
・
・
「はぁっ、はぁっ、いったいなんだったんだ、あれ!?
思わず逃げてきてしまったが……」
「………」
「あそこ、しばらく行かないうちに変態が出没する危険な公園になっていたのか。
やっぱり春先は気をつけないとな!」
「変態ですか。それは恐いですね」
「!? あ、あんたさっきの!?」
「はい」
「俺は走ってきたんだぞ!? なんで当たり前のようにここにいるんだ!?」
「私、古風な女ですから」
「……?」
「常に殿方の三歩後ろを歩きます」
「説明になってない! しかも歩いてかよありえねえっ!」
「最近ではこういうの……『すとおかあ』とか、言うそうですね?」
「なんだか説明になった!? しかも最悪な形だよありえねえっ!」
「納得していただけたところで……さあ、縛ってください」
「ひとっつも納得していない!
そもそもなんで俺があんたを縛らなくちゃいけないんだ!?」
「荒縄より麻縄の方がお好みなのでしょうか?」
「そういう問題じゃねえっ!」
「……覚えてらっしゃらないのですか?」
「へ? な、なにを?」
「………」
「……?」
「じゃあいいです。思いだしていただけるまで、
あなたについて回ることにします」
「は!?」
「そして思いだした暁には……」
「暁には……?」
「縛っていただきます」
「なんだよそれ!? そんなに縛られるのが好きかっ!?」
「ええ……それはもう!」
「アホかーっ!」
「あんっ……!」
「しまった、あまりの事におもわず手が出た……
って、なんだよその悩ましい声は!?」
「ええ……その……罵倒されながら強い刺激を受けるのって、気持ちよくありません?」
「なに言ってやがる!?」
「申し訳ありません。ご指摘の通り、いってしまいました……」
「行ったってどこへ?」
「絶頂へ」
「うあなんだこいつーっ!?」
「ただの、古風な女です」
・朝
「おはようございます」
「いやちょっと待て。お前、昨日会った……」
「はい、そうです」
「なんで朝から当たり前のように俺の家の寝室にいるっ!?
しかも! なんで和服ぬぎかけっ!?」
「私は古風な女ですから……」
「ですからっ!?」
「『据え膳喰わねば男の恥』という格言を、大切なものと思っています」
「……?」
「ですから、女は殿方の据え膳になるべく全力を尽くしませんと……」
「だからって人の家にかってに上がり込んで服脱ぐなっ!」
「ご心配にはおよびません。私は古風な女ですから、着付けの仕方も心得ています。
脱いでも安心です」
「そういう問題じゃなくてーっ!」
「もちろんどう着崩せばいやらしく見えるかも心得ております」
「だからっ!」
「ああ……これは失礼いたしました」
「!? わ、わかってくれたのか……?」
「ええ……脱がれるより、脱がす方がお好みと言うことですね?
ご安心下さい。それも心得ています。ほら、帯はここから引っ張ってください。
思いっきりひっぱるとくるくる回って楽しいですよ?
その後はマワしていただければ、私も満足です」
「黙れーっ!」
「朝からいっぱい叫んで、お元気ですね」
「こ、こいつっ……!」
「ほんと……すごくお元気……」
「なにに向かって話しかけてるんだーっ!」
「ナニに向かって話しかけております」
「………」
「……まあ、今ぴくんと震えてお返事を……」
「とりあえず出てけーっ!」
「そんな! まだいろいろと出さなくてはいけないものがあるのに
出てけだなんて、ご無体な!」
「いいからいけーっ!」
「いくのはあなたの方ではありませんか?
いえ、かなうことなら……二人同時にいけたら素敵ですよね?」
「ああもう誰かどうにかしてくれーっ!」
「はい、どうにかしてさしあげます!」
「いいかげんにしろーっ!」
・帰り
「ああ、お待ちしておりました」
「……で、学校帰りにも当然いるんだな……」
「古風な女ですから」
「まあ確かに、そんな風に男を待っていると古風な感じな気もするけど……」
「『ほおちぷれい』にも対応しております」
「古風と関係ねえっ!」
「待つ間、あなたがどんないやらしいことをしているか想像し……」
「しねえっ!」
「そしてあなたとあったら、どんなみだらなことをしてくれるか
想像するだけで……ああもう、また……!」
「だからしねえってば!」
「自分の中にある密やかで、静かで、淫靡な想い……
それを見つめているだけで、何度も何度も高まって……はあん……」
「話を聞け!」
「あらいけません、思いだしただけで……ふふ、こんなに……」
「はぁ、はぁ、なんか俺の方が放置されてるような気がしてきた……!」
「ふふ、そんなに息を荒くして……わかっていただけました?
放置されると興奮できますでしょう?」
「俺の方は違うだろっ!?」
「まあ、そうした自分の中の新たな感情には、初めは戸惑うものですが……
心配ありません。私がついてます。たっぷりと教えて差し上げます」
「だから違うって!」
「ふふ。二人は似たもの同士。相性最高ですね?」
「だから話を聞けーっ!」
・紅葉
「アホかーっ!」
「ひんっ!」
「く、思わずツッコんでしまったが、こいつまた恍惚と……!」
「勘違いなされているようなので言っておきますが」
「ん?」
「叩かれるのは好きですが、決して満足しているというわけでもないのですよ?」
「とつぜん何を言い出すんだ」
「私、秋の紅葉が好きです」
「ほんと唐突だな……でも、そうなのか」
「古風な女ですから」
「……なんか初めてその言葉に納得できた気がする」
「私は色白です」
「まあ、見りゃわかるけど」
「平手で打てば、それは綺麗なモミジが舞います」
「………」
「特に臀部……お尻あたりを打たれると、
高揚して紅葉ももっともっと鮮やかになります。
……あ、韻を踏んでいて素敵ですね?」
「ああ、そういうオチになるのか」
「紅葉、御覧になります? なりたいですよね。
ではさっそく脱ぎましょうか……」
「アホか!」
「いたっ! だ、だから! 頭を叩かれても意味がありません!
それもゲンコツではなくて平手ではないと!」
「うるさい!」
「うう、いけず!」
「ああそうかよ」
「この焦らし上手!」
「へ?」
「でもそこがたまらない! も、もっと焦らしてください!」
「うーあー、だれかどうにかしてくれーっ!」
・貞操
「私は古風な女です」
「なんかそれ、だんだん疑わしくなってきた」
「ですので結婚までこの身を殿方に許すことはできません」
「うっわどうしよう。どこから突っ込めばいいんだ」
「どこから突っ込んでくださってもかまいませんよ? とりあえず脱ぎますか?」
「いきなり最初に言った前提外れてるんじゃねえ!」
「とにかく、貞操が大事なのです」
「ああそうですか」
「ですが、人並みに性欲はあります」
「どの口が人並みとか抜かしやがるっ!?」
「上の口は嘘をつくこともありますが、下の口はとても正直です。
お試しになります?」
「貞操守るんじゃなかったのかよっ!?」
「そうなんです。先ほど申し上げたように、
私は殿方に身体を許すことができません」
「じゃあ今までのは全部嘘かよ……!?」
「でも、それでは困ります。人並みの性欲の行き場がありません。
そこで、発想の逆転です」
「?」
「私は体を許すことができない。
それなら逆に……あなたが体を許してくれればいいんです」
「は!?」
「ということで、まずはお召し物をお脱ぎ下さい」
「いや待てその理屈はおかしい」
「難しいお話は下の口が対応します。さあどうぞ」
「ひとつくらいまともなことを言えーっ!」
・名乗り
「私は古風な女です」
「嘘つけ」
「……古風な女、と名乗るのがお気に召しませんか?」
「お前は古風ってだけで言い表せないだろう。
っていうか和服着ている以外あんまり古風じゃないし」
「わかりました。では、名乗りを変えます」
「ああ」
「私はあなたの卑しい雌豚です」
「!?」
「驚いていますね?」
「あ、あ、当たり前だっ!」
「そうですか……やはり雌豚より牝犬の方がお好みですか?」
「そうじゃなくって!」
「私はあなたの淫らな操り人形……というのはどうでしょう?
殿方のなさるお人形遊び……ふふ、倒錯していてよろしいですね?」
「あのなあ……」
「さあ、お好きな名をお選び下さい。もちろん、あなたの考えた
もっといやらしいお名前があるのなら、それでも結構です」
「………」
「さあ、さあ!」
「……古風な女」
「はい?」
「古風な女でいいです」
「………」
「………」
「……それで、いいんですか?」
「ああ、これがいちばん無難だ」
「そうですか……無難な答を選んで問題から逃げるなんて……
この負け犬!」
「!?」
「どうです? 背徳的な興奮を感じましたか?」
「な、なっ……!?
「背筋を走る何かがあるでしょう?」
「そ、そ、そんなわけないだろっ!?」
「ふふふ。まあそういうことにしておきましょう」
・胸
「待って下さい」
「待たない!」
「気のせいか、あなたは私のことを避けているような気がします」
「気のせいじゃない!」
「どうしてですか……?」
「実は俺……お前みたいな胸の小さい女は興味ないんだ」
「そ、それは本当ですか!?」
「本当はそうでもないんだけど、こうでも言わないと
こいつは振り切れないからなあ……」
「な、なにをぶつぶつおっしゃってるのですか? はっきりおっしゃってください!」
「わかったはっきり言ってやる! ああそうだよ本当さ! この貧乳、寄るな!
胸の貧乏がうつる!」
「!」
「じゃあな」
「お、お待ち下さい!」
「なんだよ」
「ちいさな胸だろうと使い方によっては、
それはもういやらしいことができるんですよ?」
「は?」
「胸なんて飾りですよ飾り! えらい人にはわからないんですよ!」
「ガ○ダムネタかよ!」
「古風な女ですから!」
「関係ないだろ!」
「とにかく、胸の大きさの差が戦力の決定的差でないことを教えて差し上げます!」
「黙れ貧乳! 胸が小さいクセに大きな口を叩くな!」
「!」
「………」
「う……うわーん!」
「ふう、ようやく行ったか。
……ちょっと言いすぎたかなあ……いやいや、甘い顔見せちゃ駄目だな」
「お待たせいたしました!」
「うあもう戻ってきた……って、あれ!?」
「お気づきになられましたか? さすがです」
「お前、胸が大きくなっている……!?」
「ご明察です」
「ど、どうやって!?」
「お恥ずかしい話ですが……寄せて上げました」
「それで、こんなに……?」
「古風な女ですから」
「いやまったく関係ないし」
「ああ、縄がキツイ」
「え、な、縄っ!?」
「はい。縄でこう……余分な肉を寄せて、ぐいっと上げまして。
御覧になります?」
「見るわけないだろっ!」
「それは残念です。柔肉をしめつけられるこの見苦しい姿、
是非生で御覧になっていただきたかったのですが……」
「お前ってヤツは……」
「ああ、それにしても縄がきつい。ですが……。
あなたのお言いつけでこのきつさを味わっていると思うと
なんと申しましょうか……興奮してきますね?」
「するなっ!」
「興奮しないのですか……?」
「と、ととと当然だ」
「やっぱり大きい胸じゃないと駄目なんですね……」
「いやそういう問題じゃ……」
「そんなにおっぱいが好きだなんて……いやらしいお方」
「お、お前に言われるとすげえショックだ」
「でも……いやらしいあなたとみだらな私……
まあ、これはこれは! 相性、ぴったりですね?」
「なんでそうなるっ!?」
「古風な女ですから」
「だから関係ねえっ!」
・始まりの日
「まったく……なんでお前はそう俺につきまとうんだ?」
「どうしても、思いだしていただけないようですね」
「思い出すって……なにをだよ?」
「わかりました。もう、隠していても仕方ありません。
それでは参りましょう」
「参るって、どこへ?」
「二人が出会った公園へ、です」
・
・
・
「あの日、この公園を通りがからなければなあ……」
「運命的でした……」
「そんな大層な物でもないだろ?」
「そんなことありません……!」
「……?」
「覚えていますか?」
「何をだ?」
「あなたは昔、ここでよく遊んでいましたね……」
「ああ……そうだな。でもガキの頃だ。ずいぶん昔のことになる」
「そうですね。もう十年も前の事になりますね」
「……なんで知ってるんだ?」
「古風な女ですから……」
「ごまかすなよ」
「ここまで言って、まだ思いだしていただけないのですね……」
「……?」
「昔、私……ここで、あなたに遊んでいただいたのです」
「……え?」
「………」
「あ! そういえば、和服を着た女の子と遊んだことがあったような気が……
って、あれお前だったのかよ!?」
「やっと思いだしていただけましたか」
「いや、だって……え〜?」
「そうですね。一度きりのことでしたから、
覚えていないのも無理がないかも知れませんね……」
「一度きり……お前、よく覚えてるな」
「あなたにとってはありふれた遊びだったのかも知れませんが、
私にとっては一生の思い出だったのです。
窮屈な屋敷を抜け出した初めての日。夢のような、楽しい思い出……」
「……すまない」
「え?」
「覚えていなくて、すまない」
「いえ……いいんです。その言葉をいただけただけで、報われるというものです」
「その……そのとき、どんな風に遊んでいたんだ?
聞けば、俺も思い出せるかも知れない」
「ええ。お話ししましょう。
そのときやっていたのは、確か……ドロケイという遊びでした。
犯人と刑事に分かれておいかけっこをする、鬼ごっこのような遊び……」
「あー、ガキの頃はよくやってたな。
……言われてみれば、すこし覚えてる気がする。
たしか着物の女の子が、動きにくそうなのに遊びに加わりたいって言い出して、
俺はおもしろそうだからってその子の手を取って……」
「とても楽しい思い出でした……」
「そ、その、なんだ」
「はい?」
「ひょっとして……そのとき、俺に一目惚れかなんかして、
それが初恋で……だから今頃になって俺に会いに来たとか言い出すのかっ!?」
「………」
「ま、まさかそんなマンガみたいな話なんじゃないだろうなっ!?
「初恋、ですか……」
「………」
「初恋……いえ、少し違うかも知れません」
「な、なんだそうかよっ! ……じゃあ、なんなんだ?」
「そうですね……初恋と言うより……初体験、と言うのが適切でしょうか」
「初体験……?」
「ドロケイのお話はしましたね。私は犯人役になり、
あなたにつかまえられてしまいました。
走るのは苦手でしたし、その上着物でしたから、あっという間に。
でも、楽しかったです」
「………」
「そして……つかまった後はもっと楽しかった」
「え?」
「犯人役である私をつかまえたあなたは、戯れに私を……」
「お、お前を……」
「ああ、私を……!」
「もったいぶるなよ!」
「思い出せません?」
「思い出せねえよ! まさか! ……なんかおかしなことしたのかよ!?」
「いえ、ちっともおかしくはありません。縄跳びで縛っただけですから」
「は?」
「きつかったです」
「へ?」
「すこし痛かったです」
「いやその……」
「私、その時まで知りませんでした。きつくて不自由なことや、痛くて辛いこと……。
……それらがまさか、快感になりうるなんて、こと」
「……ちょっと待て」
「被虐の悦びというものを、その時初めて知りました……!」
「うっとりすんな! それじゃあ何か?
そんな子供の頃にそっち方面に目覚めたって言うのかっ!?」
「はいっ!」
「………」
「すぐにでもあなたに感謝したかったのですが、
初めての感覚に私は気をやってしまい……」
「あー、思いだした。なんか遊んでたら急に気分悪くなって倒れたやつがいたけど、
たしかに着物だった。なんで忘れてたんだろう。
……忘れたかったのか、今思うと」
「翌日からしばらく、私の突然の不調を重く見た父に外出を禁止されてしまいました。
勝手に屋敷を抜け出したという罰の意味もあったと思います。
そしてそのまま、折り悪く父の仕事の都合で別の地へ……」
「そうか……」
「もう二度と会えないだろうと思っていました。でも、忘れられなくて……。
でも、最近になって少しは自由が利くようになりました。
だからあの日、この思い出の公園に来て、
もう二度とあの時間が戻ってこないことはわかっていましたが、
それでも……」
「………」
「そうしたら……あなたが来てくれたのです」
「あの日の何の気なしに行った散歩でこんな事になるとは……」
「運命を感じずにはいられません。
ああ、やはり! 正しく生きるものには運命が味方してくれるものなのですね!」
「………」
「どうしました?」
「うああああああーっ!!」
「!?」
「お前がいまそんな風になっちゃってるのは……
ガキの頃の俺のせいだって言うのかっ!?」
「ええ。子供の頃のあなたの性、という感じです」
「俺はなんてことをしてしまったんだーっ!!」
「ああ、何を嘆くのですか?」
「ああ、お前にはわからないのか。
……わかった。俺は償う。
お前が真人間になれるよう、俺はお前のためになんでもする……」
「まあ、なんでもしていただけると!?」
「ああ、なんでもやって、償うよ……」
「じゃあ縛ってくださいまし」
「だからそういうことじゃなくて!」
「私、決めていたんです。私を目覚めさせてくれたあなたに、
私を捧げよう、と」
「だから、出会ったときにいきなり縛れなんて言い出したのか?」
「はい。私、あの日からずっとうずいていました。
どんなに自分を慰めても、あなたに縛られたあの日の鮮烈な体験に届かない……
自らを捧げ、あなたに陵辱される……そのことできっと私は完成すると思うんです」
「俺が縛れば、完成……?」
「はい!」
「じゃあ、縛らなければ完成しない……?」
「そういうことになりますね」
「なら絶対お前のことを縛らない!」
「ええっ!?」
「お前を完成させず、いずれ真人間になるまで相手をする! 面倒見る!
それが俺の償いだ!」
「は、はあ……?」
「お前をぜったいまともにしてやるからな!」
「よくわかりませんが……つまり、そういう『ぷれい』なのですね?
なんだか胸がときめきます」
「な、なんだよ? どういう勘違いしたら胸がときめくんだよ?」
「あなたのおっしゃることを解釈しますと……
つまり一生じらしていただけるのでしょう? ああ、なんて素敵……!」
「ちょっと待て! 一生って……?」
「はい。一生面倒見ていただけると言うことでしょう?」
「ちょっと待て! それは真人間になることは絶対ないってことかっ!?」
「だって、それは無理じゃないですか」
「あきらめるなーっ!」
「ああどうしましょう。これはつまり婚約を申し込まれたと言うことですよね?
ああ、ああ。どうしましょうどうしましょう」
「いや、違っ……」
「その……なんと申しましょうか……
ふつつかものですが、よろしくお願いいたします……旦那様」
「三つ指つかれてもっ……って言うか旦那様ぁ!?」
「ああ、素敵。旦那様との新生活、どんなに淫らでいやらしいものになるのか
想像もつきません」
「……俺、はやくもくじけそうだ」
「大丈夫です。ご安心下さい」
「なんでそんなに自信たっぷりなんだよ」
「だって私……古風な女ですから!」
「だからいつもいつも、説明になってねーっ!!」
終
| サイト トップへ |
| 次の頁へ |