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は〜とふるらぶこめでぃ
ほのぼのこがらちゃん
外伝

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ほのぼのこがらちゃん外伝
魔法少女こがら

最終話
「熾烈? 激戦? 勝利者は誰!?」

 



「こがらちゃん! さあ、この魔法のステッキをっ!」
「イナネーム……」
「今度こそ魔法を使うときだよっ!」
「………」
「さあっ!」
「魔法は……使わないわ」
「何だって!?」
「相手はあの魔法の力でここまで勝ち上がった。
 あたしはこの拳で勝ち上がった。そして今は決勝戦よ。
 ……いままで戦ってきた力で戦わなければ、相手に対して失礼
 に当たるわ」
「そんなこと言ったって……。
 素手じゃ、あの旨美には勝てないよっ!!」
「イナネーム、あたしね……小さい頃リボンをもらったの」
「こがらちゃん……?」
「そのころのあたし、髪短くてね……どうやっても似合わなくっ
 て困ったわ。ホント、あいつってばいっつも無責任なんだから」
「なにをしてるの? こがらちゃん?

 リボンを……解くの?」


「ようやく本気を出す気になったか、舞黒こがら!」
「旨美……」
「やっとそんなくだらないものを外して、オレと戦うつもりにな
 ったようだな」
「外す? 違うわ。
 結び直すのよ」
「なんだと?」
「あたしはリボンをもらったとき、全然似合わなかったちっとも
 かわいくならなかった。それがとっても悔しかった……!」
「………」
「結び方を工夫して、少しくらいかわいくなろうと思って……
 気がつけば、髪が伸びてリボンを普通につけられるようになっ
 たわ」
「それが、どうしたって言うんだ」
「あんたにどう言われようと、これはあたしにとって大事なもの
 よっ!
 今のあたしがあたしでいられるのはリボンがあるからっ! 
 それをバカになんてさせないっ!」
「だから……結び直したからどうだって言うんだっ!?」
「こうだって言うのよっ!」

「……? き、消えたっ!?」

「遅いっ!」
「いつの間に懐にっ!?」
「たああっ!」
「くっ!」


「す、すごい! こがらちゃんが旨美をはじき飛ばした!」


「どう?」
「な、なんてスピード……それに、このパワーは……?
 なぜだっ! さっきとはまるで違うじゃないかっ!」
「リボンを結び直したからよ」
「………?」
「この結び方は”高機動結び”と言うのよ」
「こ、高機動結びっ!?」
「そう。この結び方だと空気抵抗が減って、通常の3倍の速度が
 出せるのよっ!」
「………」
「………」
「そんなバカなっ!? たかだかリボンを結び直した程度でそん
 なこと出来るもんかっ!」
「できるっ! あたしは6年間かけてリボンを結び続けたのよっ!
 あんたの付け焼き刃の魔法とは年季が違うっ!!」
「くうっ……だいたい、百歩譲って速度が3倍になったからとし
 て……このパワーは何だっ!?」
「それはっ……」
「それは!?」
「気合いよっ!!」
「気合い……?」
「………」
「……ふざけるなあっ!!」
「ふざけてなんかない。これがあたし、舞黒こがらよっ!」
「……ああそうかい。ああそうかよっ!
 もう細かいことはどうでもいいっ! 舞黒こがらっ!
 それがお前の全力だと言うんだったら、オレも全力で応えて
 やるっ!!」
「いいわよっ! 来なさいっ!」





「すごい……すごいよこがらちゃん……あの旨美に全然ひけを取
 ってない……」
「そうだな、イナネーム」
「チーナイチ……?」
「なあイナネーム。なぜ今回の魔法のプリンセス決定戦で二人の
 人間の少女が選ばれたと思う?
 そしてなぜ人間の少女にのみ、我々魔法の妖精が使わされたと
 思う?」
「それは……昔からそうと決まってるから」
「そう。プリンセス決定戦が始まった太古よりの取り決めだった。
 そして今までは人間の少女が決勝戦にまで勝ち上がることはな
 かった」
「チーナイチ、何を言いたいんだい?」
「旨美に破れた魔法少女達は、自らの力を誇るばかりでそれを
 磨き上げることを忘れいていた。それ故に、今までにない魔法
 の使い方をし、そしてその魔法を戦いの中鍛え上げていった
 旨美に破れた。君の方も似たようなものだったんじゃないか?」
「うん……みんな魔法の力を誇って、でも魔法を使わないこがら
 ちゃんに負けた……」
「そう。魔法の国は今停滞している。魔法の技術も極まり、進歩
 はほとんどない。だが、旨美のような魔法の使い方は誰も考え
 なかった。こがらのように素手で魔法を凌駕するものはいなか
 った。進歩がないと言っても、頂点にたどり着いた訳じゃない」
「………」
「私たちが人間界に使わされた本当の理由……それは、この戦い
 を見届ける為じゃないだろうか?」
「この戦いを?」
「どちらが魔法のプリンセスになろうとも、魔法の国は変わらず
 に入られない。その変革の最初を見届けるために……そのため
 に私たちは使わされたんじゃないだろうか?」
「この戦いが、魔法の国が変わる初めの一歩だって言うの?」
「そうだ。一瞬たりとも見逃すな。私たちは、今、
 歴史の変わる瞬間に立ち会おうとしているっ……!」
「!!」


「はあっ、はあっ、はあっ……」
「ぜぇ、ぜぇ、ぜぇ……」
「あんた、この高機動結びをつかったあたしによくついてこれる
 わね」
「お前こそ、このオレの”爆圧機動”のパワーと互角とは……
 まったく信じられないぜ」
「とりあえず……さっき”付け焼き刃”って言ったのは謝るわ。
 あんたの技はそんな安いものじゃない」
「オレもお前のそのリボンをバカにしたことを謝っておくぜ」
「ふふっ……」
「ははっ……」
「ふふふふふっ!」
「はははははっ!」
「さあて、じゃあ行こうかしらっ!」
「ああっ!」
「お互い手は出し尽くしたわねっ!」
「小細工はもう要らないっ!」
「勝負は一瞬でつくわっ!」
「ああっ! まちがいなく一撃で終わりだっ!」
「音速突破の踏み込みから、
 光速近似の一撃を繰り出す舞黒最強の拳でっ!」
「この爆炎の鎧で耐えきれる限界ギリギリの爆圧で放つ、
 豪速破砕の最強拳でっ!」

「貫き抜けるっ!!」
「砕き散らすっ!!」

「いっけーっ!! 神破閃撃っ!!!」
「砕き散らせっ! 爆神砕撃っ!!!」


「やあああああああああっ!!!」
「だあああああああああっ!!!」





「……なんてことがあってね」
「こがら。ようやく空のかなたから戻ってきた俺に、そんなホラ
 を吹くのか?」
「ホラってなによぉ」
「まあ……たしかに、この地方紙には局地的な暴風が生じただの
 プールの水が消え失せただの隕石の落下があっただの……。
 それに、爆発事故があったって記事も載ってる。
 確かに裏付けはあるように思える」
「思えるって?」
「いや……こうも都合良く事実が出そろっていると、かえって嘘
 臭くないか?」
「あんたねぇっ……!」
「それで……その旨美、だったか。そいつとの戦いはどうなった
 んだ?」
「え? もちろん、勝ったわよ。
 舞黒の拳は全敵破壊の最強拳だからね。当然よ」
「そうやってない胸をそらすのはかわいくていいが……でも、
 それならお前は魔法のプリンセスになったのか?」
「ううん」
「優勝したんだろう?」
「でも……あたし、自分の魔法のステッキも折っちゃったんだ」
「なんでだ?」
「うまくいえないけど……あたしは結局、この戦いを自分の力で
 勝ったの。17年間積み重ねた自分の力で、戦い抜いて勝った。
 でも、魔法のプリンセスになって別の姿になるって事は、
 それを全部なかったことにするみたいでいやだったの」
「………」
「それに、魔法を使わないで勝ち抜いたあたしが魔法のプリンセ
 スってのも、変じゃない?」
「そうか……まあ何にしても、お前が胸の小さいままでいてくれ
 て俺は嬉しい」
「……へんなところで喜ばないでよね」
「それにしても、こがら」
「ん?」
「魔法か使えたらいいとか思わないのか?」
「そうね……でも、いらないかも」
「なんでだ?」
「だってさ……女の子は、リボン一つで変われるのよ。
 それこそ、魔法みたいに。

 だから……女の子は、誰だって魔法使いなのよ」

「………!」
「なぁんて、ね」
「!………!」
「ん? どうしたの震えちゃって?」
「こがらぁ〜〜」
「きゃっ。な、なによぉ?」
「お前はどうしてそうやっていつもいつも俺に魔法をかけるん
 だぁ〜?」
「! だからいつも言ってるけど……!
 気安く抱きつくなっ!!」
「ぐぼはぁっ!!」
「ん?
 いつも通りに殴ったのに、いつもと違うこのリアクション……」
「がぶふっ……げはぁっ……」
「あーっ、しまった! リボン、高機動結びのままだったっ!」
「……は、花畑が見える……」
「こらーっ! 気を失うなーっ!
 今意識を手放したら本気でやばいわよっ! 
 起きろってばこらーっ!」
 




「こがらちゃん相変わらずだなあ……」
「イナネーム、そろそろ行くぞ」
「チーナイチ。そう急かさないでよ」
「旨美が待ちかねている」
「ああ。旨美ちゃんも変わってるよね」
「繰り上がりで魔法のプリンセスになることを良しとせず辞退。
 私たちといっしょに魔法の国に行って武者修行したいとは実に
 彼女らしい」
「まったく……プリンセスが空位のままで大会が終わるなんて、
 魔法の国の歴史の中でも初めてだよ」
「私が言ったとおり、変革が始まるだろう?」
「そうかなあ。なんかあの時言ってたのと意味が違うような。
 変革と言うより動乱って気が……」
「楽しみじゃないか。
 魔法の国は、私が考えていたより大きく変わる」
「キミは本当にそういうの好きだなあ」
「さて……そろそろ行こうか?」
「うん。じゃあね、こがらちゃん……」
「もう会えないかも知れないな」
「そうかな? ボクはもう一度、会えるような気がするよ」
「そうか……」
「だから、また会う日まで……さようなら、こがらちゃん……」





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