は〜とふるらぶこめでぃ
ほのぼのこがらちゃん
BBS掲載小ネタ
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小ネタその30 |
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「お待たせーっ」 「遅かったな……おおっ!?」 「どう? この浴衣、似合う?」 「……白を基調とした控えめな朝顔の柄はおまえに合ってる。 それになんて言うか浴衣は袖口がいい。たっぷりとした袖によ るぶかぶか感がおまえの小柄さを強調して、たまらなくいい」 「……なんかあんまり誉められている気がしないんだけど」 「とにかく、最高に似合ってるって言いたいんだ」 「!」 「かわいいぞ、こがら」 「……へへっ」 「………」 「それと、さ」 「ん?」 「浴衣にあわせて髪あげてみたけど……変じゃないかな?」 「ポニーテールとどっちが言いといわれれば悩むところだが……。 でも、浴衣にとっても合ってていいと思うぞ」 「そ、そうかな」 「そうだとも」 「……じゃ、行きましょうか?」 「もう行くのか? できればもうちょっとおまえのかわいさを堪 能したいんだが……」 「! な、なに言ってるのよっ! 早く行かないと花火始まっち ゃうわよっ!」 ・ ・ ・ 「……それでカスミったらねぇ、笑っちゃうんだぁ」 「ふうん……」 「?」 「………」 「どうしたの? なんだか上の空ね」 「いや……この辺あんまり人がいないと思ってな」 「そうね」 「今日は花火大会だろう? 見物客が一人もいないなんて……」 「この辺の川の土手は意外と穴場なのよ。みんな近いほうから見 ようとするけど、ちょっと遠いここのほうが打ちあがる花火全 部を見渡せて綺麗なんだから」 「へぇ……」 「そりゃ、花火は近いところで見たほうが迫力があっていいでし ょうけど、すごく混んでるからゆっくり楽しめないわよ」 「それもそうだな。これなら二人っきりで花火を堪能できるな」 「うっ……うん、そうね……二人っきり……」 「? どうしたんだ、こがら?」 「な、なんでもないわよ」 「ありゃ……」 「?」 「このっ……」 「! にゃあっ!?」 「へっ!?」 「な、なにするのよいきなりっ……」 「いやその首筋に蚊が止まってから……」 「うそっ! そーゆー触り方じゃなかったっ!!」 「たたいたら反撃が怖いしそれにおまえの肌の上で蚊をつぶすわ けにはいかない。 かといって見逃すこともできないという葛藤の上でのソフトタ ッチだったのだが」 「うそうそうそっ! 今の触り方、ぜったいやらしかったっ! あたしが首筋弱いの知っててわざとやったんだぁっ!」 「あのなあ……」 「う〜〜」 「だからっていきなりへたり込むなんて思わないじゃないか……」 「う〜〜〜」 「涙目でにらむなよ……ほら、手を貸すから……」 「ん……」 「よっと」 「ふう」 「やれやれ」 「もうっ……油断も隙もあったもんじゃないんだから……」 「まだ言うか……」 「せっかくの浴衣が汚れちゃったじゃない」 「このくらいならはたけば綺麗に……」 「ひゃんっ!」 「えっ?」 「こっ、今度はおしりさわったあっ!」 「い、今のは純粋に汚れを落とそうと……」 「う〜〜」 「………」 「う〜〜〜」 「わかった、認めるっ! 確かにお尻をはたいたのは汚れを落とすためだっ! たたく直前まではそれしか考えていなかったっ! しかし触った瞬間……確かに、”やったぁ”とか思ったっ! 小ぶりで引き締まった、でも柔らかい感触に酔いしれたっ! でもだからと言ってなあ……」 「そおなの……」 「こがら……?」 「このあほぉっ!!」 「うごあっ!?」 ・ ・ ・ 「こがらぁ……」 「………」 「おい待ってくれよこがらぁ……」 「………」 「なんだよ、いつもは殴ったらすっきりはっきり忘れるおまえが、 今日に限ってどうしてまだ不機嫌なんだ? さっき1秒間に16連打で16秒間も殴り続けたのに、まだ足 りないと言うのか?」 「そんなんじゃないわよっ!」 「こがら……本当にどうしたんだ?」 「……バカみたい……」 「え?」 「浴衣着て、二人っきりで花火見物だって言うのにあんたはぜん ぜんいつもどおりであたしだけはしゃいでバカみたいだって言 ったのよっ!」 「こがら?」 「あんたはいつもどおりなんだから、あたしも浴衣なんか着てこ ないでいつもの服で来ればよかった……ほんと……バカみたい」 「こがら……」 「………」 「それは、違う」 「何が?」 「おまえは、勘違いしている」 「何がよっ?」 「俺はいつだっておまえにドキドキしているんだ」 「!」 「確かに今日のおまえは浴衣に身を包んでいつも以上にかわいい が、でもおまえといる時間はいつだってかけがえもないくらい 貴重なものなんだよ」 「………」 「いつだっておまえのことが大事だし、いつだっておまえといる ときは幸せだ。 俺はそれを隠したつもりはない。それでいつもどおりだといわ れるんだったら……それは、仕方ない。俺は今以上におまえへ の気持ちを表現する術を知らないんだ」 「………」 「………」 「……あの……」 「あっ……」 「え? あ、花火……始まったんだ……」 「おまえの言うとおりだ。ここから見ると全部の花火が目に入る ……本当に綺麗だ」 「うん……」 「………」 「………ちょっと」 「なんだ?」 「な、なんであたしにほっぺたに頬を擦りつけてくるのよ?」 「別にそういうつもりじゃないが」 「じゃあどーゆーつもりなのよっ!?」 「ほら、お前とは離れていた時間が長かっただろう? だから、 これから経験することはできるだけお前と一緒に……おまえと 同じ視点で体験したいんだ」 「そうなの……」 「そうなんだ……」 「そんなこと言って、本当はくっつきたいだけ、とか……?」 「ばれたか」 「……まあいいわ。殴るのは花火が終わってからにしてあげる」 「ぐうっ……」 「ほんっっと……バカなんだから……」 了 |