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は〜とふるらぶこめでぃ
ほのぼのこがらちゃん
BBS掲載小ネタ

 

小ネタその26
湯と煙と その12

 


「やはりあの温泉は効く。身体もすっかり回復したな」
「………」
「それにしてもこがらは遅いな……土産物の見物もそろそろ飽き
 が来た。店員の視線もどんどん痛くなってくるし」
「………」
「仕方ない。これでもこがらに買ってやるか」
「……あの………」
「良いデザインではあるが……でも女の子に木刀をあげるのはや
 はり良くないか。と言うか俺の身が危険な気がする」
「なにをしているんですか………?」
「何ってこがらがいつまで経っても出てこないんで土産物の物色
 を……って君は?」
「しばらくぶりです……」
「桜木……桜木カスミか……」
「名前……憶えていてくれたんですね……」
「まあ、こがらの友達だからな」
「……そういう憶え方ですか………」
「で、桜木?」
「何でしょう………?」
「君の肩にもたれかかってるこがらはどうやら意識がないようだ
 が……なにがあったんだ?」
「どうやら湯当たりしてしまったようです………」
「3時間以上待たされたような気がするが、ひょっとして……
 ずっと湯に浸かっていたのかっ!?」
「そのくらいは湯の中にいたかも知れませんね………」
「こがらここの温泉そんなに気に入ったのか」
「そのようでしたよ………」
「そうか、それは良かった」
「……その理由を本気で納得してるならあなたは変だと思います
 ………」
「そうか?」
「他に表現のしようがありますか………?」
「まあ、それはおいといて……」
「………?」
「………」
「……なんでそんなに私のことを見つめるのですか………?」
「え?」
「や……やめてください………」
「いや、違う。こがらの顔を見ていたんだ」
「………」
「無防備なこがらの顔をじっくり見られる機会なんて、そうはな
 いからな」
「………」
「………」
「……重いです………」
「え?」
「重いんです………」
「な、なにが?」
「こがらさんが、重いんです………。
 だから、あとはお願いします………」
「お? わ、わかった。もちろん俺がおぶって連れて行くつもり
 だ……でも、何でまた急に?」
「あなたがいるのなら……私がこがらさんを支える必要はありま
 せん………」
「………」
「こがらさんはあなたのために3時間も頑張ったんです……しっ
 かり支えてあげてください………」
「頑張った? なにを頑張ったって言うんだ?」
「”豊胸の湯”に、3時間も浸かっていたんですよ………」
「”豊胸の湯”? あれほど言ったのに……こいつまたそんな無
 駄なことやってたんだな……」
「……無駄………?」
「ん?」
「とんでもない……無駄なことではありませんよ………」
「なに?」
「女の子はいつでも好きな男の子にいちばんの自分を見せたいん
 ですよ………?
 そのための努力に……その努力に込められた想いに……無駄な
 ことなんてあるはずがありません………」
「……そういうもんか?」
「そういう……ものです………」
「よくわかるもんだな」
「私も……女の子ですから………」
「じゃあ……君が”豊胸の湯”にいたのもそうなのか?」
「………!」
「………」
「………」
「………」
「……私も………」
「ん?」
「私も……女の子……です………」
「そ……か」
「そ……です………」
「………」
「………」
「それでは……私はここで失礼させていただきます………」
「そうか……じゃあな、今日はありがとう」
「いえ……それでは………」
「ああ……またな」

続く




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