は〜とふるらぶこめでぃ
ほのぼのこがらちゃん
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その10 |
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「さて、帰りはどうしよっか? ボクは何か食べていこうかと思うんだけど」 「いいですね………」 「じゃあ甘極亭(かんごくてい)にでも行こっか。 あれ?」 「はあっ、はあっ、はあっ……」 「お〜い、こがらぁ!!」 「はあ、はあ……キョ、キョウコ?」 「こがらさん……」 「カスミも………どうしたの?」 「どうしたのって……それはボクのセリフだよ。 HRに途中参加したかと思ったら、終了と同時に速攻で出てくんだもん。 声をかける暇もなかったんだよ?」 「久しぶりに会えましたのに………」 「ごめん、あいつがさっ…」 「あいつって、例の彼?」 「そう。しつこいったらありゃしないわっ」 「相変わらずラブラブですね………」 「カスミッ! 変なこと言わないでよっ!」 「今さら何照れてるんだか」 「キョウコもっ! 二人してひどい誤解よっ! 偏見だわっ!!」 「ま、いいや。ボクたちこれから甘極亭に行こうかって話してたんだけどさ。 一緒にどう?」 「えっ? でも、あいつが追ってくるし」 「店の中に入った方が見つからないって。 それとも………なんだかんだ言って、本当は追いついて欲しいの?」 「そっ……! そんなことないわよっ!! さあ、行きましょっ!!」 「扱いやすいヤツ」 「ついでにおごって貰いましょうか………」 「あんたらっ……!」 ・ ・ ・ 「チョコパフェ3つっ!!」 「かしこまりました」 「キミってチョコ好きだよね」 「あれ、キョウコ他のが良かった?」 「ボクもここのチョコパフェ好きだからいいけどさ」 「そうでしょ? ここのパフェってみんな美味しいけど、特にチョコパフェが絶品よね。 だからこの店って好き」 「でも……たまに変な人たちがいるのが玉にキズです………」 「ああ、ここの制服ってバリバリのメイド服だからね」 「まあ、気にしない気にしない。 パフェパフェ〜」 「………」 「? どうしたの、キョウコ」 「いや、こがらって最近、なんだか自然に笑うようになったな、って思ってさ」 「そう?」 「そうです………」 「ちょっと……カスミまでなによ?」 「一年の頃のキミって………。 はっきり言ってあんまりかわいくなかったよ」 「な、なによ。いきなり」 「いつも、張りつめてました………」 「え?」 「そう。ボクたちといるときはそれなりに気を抜いてたけどさ。 普段は、何か人を寄せ付けないって言うか……。 まるで”自分はこうでなきゃいけない”ってポーズで固まってるみたいで……。 笑顔を見せても、どっか固かった。無理に笑おうとしてるみたいだったよ」 「………」 「”彼”が来てから変わりました………」 「そうそう。なんか、明るくなったよね。 別に前が暗い性格だったって訳でもないけど、肩の力が抜けたっていうのかな?」 「リボンもかわいいです………」 「前は”子供っぽくてイヤ”とか言ってたのに、もう標準装備だもんね。 すっかりかわいくなっちゃって、このぉ」 「や、やめてよ」 「やっぱり恋する乙女は好きな男の子のためにどんどんかわいくなっていくものなのね」 「素敵です………」 「ちょっ………変なこと言わないでよっ! あんなヤツ関係ないっ!!」 「まあボクが言いたいのはね………。 キミがあいつのことをどう思ってるのかはどうあれ、 もうちょっと優しくしてあげてもいいんじゃないかってこと。 多分、あいつがいることはキミにとっていいことなんだよ」 「………い、いつもあいつが悪いのよ。 変なちょっかいばっかりかけてきてっ……」 「だからってあんなに殴りまくるのはひどいと思うよ」 「普通は死にます………」 「そ、そうかなあ。別にそんなことないと思うんだけどなあ」 「だからもうちょっとその、ソフトに、さ」 「う……ん」 「正直言ってとばっちりで校舎が壊れるのはたまんないよ」 「後かたづけ大変です………」 「それが本音かっ!」 「わっ、こがら!?」 「人のこと、からかってっ!!」 「別にそういうつもりでもなかったんだけどな。 ラブラブなのは事実だし」 「核心を突きすぎましたか………」 「あ・ん・た・ら〜!!」 「チョコパフェ3つ、お待たせいたしました」 「さあこがらっ! パフェよ、パフェッ! 食べようっ!!」 「うゆ〜、パフェパフェ〜」 「美味しそうです………」 「さあこがらっ! ごまかされてることに気づかないくらい おいしくいただきましょうっ!!」 「うゆゆ〜、パフェ〜〜」 「本当にごまかされていますね………」 ・ ・ ・ 「うゆ〜、おいしかったあ」 「うん。おいしかったよ」 「ごちそうさまです………」 「それでさ、こがら」 「なに?」 「最近彼とはどう? うまくいってる?」 「な、なによいきなり」 「気になります………」 「今日ここに誘ったのも、そもそもそれを聞くためなんだよ」 「とっても気になります………」 「そんなこと言ったって………あいつとは何でもないわよっ」 「またまた〜。せっかく海に二人っきりでいけるように協力してあげたんだからさ。 進展、あったんでしょ?」 「な、なによそれ?」 「海に行けなくて残念でしたが、仕方ありません………」 「二人してあたしを騙したの?」 「まさか二人っきりで一泊してくるなんてボクびっくり」 「予想以上です………」 「ちょ、ちょちょちょちょっと誤解しないでよっ!! 変なことは少しも………な、なかったんだからっ!!」 「途中の”間”は何ですか………?」 「怪しいよ」 「そ、そんなことないわよっ!! 大体あたしとあいつはそんな関係じゃないんだからっ!!」 「キミねぇ………。 自覚がないっていうのが不思議なんだけどさ。 傍から見るとキミたち二人、はっきり言ってつきあってるようにしか見えないよ」 「ラブラブです………」 「えっ、嘘っ!?」 「ほんとよ。いつもべたべたしてて、ボクなんか見てて恥ずかしいよ」 「あ、あれはあいつが一方的にっ!」 「こがらとあいつがまだつき合っていないなんて思ってるのは ボクやカスミみたいに身近にいる人間か……あとはロリコン同好会かな?」 「ロリコン同好会?」 「別名、非公式舞黒こがら親衛隊………」 「な、なによそれっ!?」 「もっともあの同好会は一人の男の手によって壊滅したって話らしいよ。 貧乳保護委員会はまだ無事らしいけど」 「マ、マジ?」 「ツルペタ研究会も活発に暗躍中だそうです……」 「そ、そんなもんまであるの? うちの学校ってそんなに病んでたんだ………」 「やだな、冗談だよ」 「よかったあ〜。お、おどかさないでよ」 「2割ぐらいはね」 「……2割?」 「2割」 「……冗談が2割?」 「そう、2割」 「今の話のどこまでが冗談でどこまでがホントのことだったのっ!? 8割の真実って何っ!?」 「今は噂の話じゃなくて、目の前の真実をはっきりさせる時よ。 さ、こがら。海で何があったかキリキリ答えなさい」 「え? え?」 「どこまで、進みました………?」 「ボクとっても興味あるなあ」 「あ、あたし急用思い出したっ!」 「こがらっ!?」 「不意をついた………逃げ切れるっ!」 「無理です………」 「カッ、カスミ!? あんたいつの間にあたしの背後にっ!?」 「いくらこがらでも、カスミから逃げられるわけないでしょ〜」 「うっ…」 「観念してください………」 「ううっ……」 「お、こがら」 「あ、あれ?」 「奇遇だなあ、こんなところで会うなんて」 「え? え? いつのまに?」 「なんてーか、運命的だよな」 「! そ、そうねっ! じゃあ一緒に帰りましょうっ!」 「へ?」 「一緒に帰るわよねっ!?」 「お、おう」 「じゃあね、カスミ、キョウコッ! パフェ代は明日払うからっ!!」 「……逃げられちゃったよ」 「そうですね………」 「やっぱりラブラブだね」 「そうですね………」 ・ ・ ・ 「なんかあわててたな、こがら」 「……色々あってね」 「色々?」 「女の友情って、時として思いもよらない方向に いってしまうものなのね」 「? よくわからんが」 「いいの。こっちの話………あれ?」 「な、なんだ?」 「ん〜?」 「そ、そんな見つめられると照れるぞっ」 「いつも人の顔は遠慮無しで見つめてくるくせに……。 そんなことより、なんかやつれてない?」 「これは………根回しの代償だ」 「?」 「やはりあの二人に無闇に借りをつくるものではない………」 「? なんの話よ?」 「いや、こっちの話だ。 それより……もう怒ってないのか?」 「え?」 「いやあの、朝のこと。 『恥ずかしいから一緒に帰らない』とか言って逃げてたのに」 「ん………なんかもうどうでもよくなっちゃった」 「? そ、そうなのか」 「……ねぇ?」 「?」 「あたしってさ………自然に笑えてるかな?」 「何の話だ?」 「いいから、答えてよ」 「質問の意味がよく分からない。 不自然に笑ってる所なんて見たことないぞ」 「ん……そう」 「それになにより……」 「?」 「お前の笑顔は、いつだって世界一番だよ」 「! いつもそんなこと言ってばっかりっ!! ほんっと………馬鹿なんだからっ!!」 了 |